日本でもこの映画が公開され、これにあわせて監督が来日した。
スノーデンの暴露のなかで私たちに重要なことは、日本が日米同盟に離反しないようにインフラシステムにマルウェアが仕掛けられているというくだり。何か背く行為をすれば、全電源がストップして完全停電になるという。スノーデンが以前「日本人はすべて監視されコントロールされている事態を何も知らず、ことの重大さに気づかないことを大変憂慮している。」ということを発言していたのを思い出す。
監督は様々なメディアから取材を受けているが、安倍政権がやっていることはすべてが逆で全く間違っていると率直に言っている。彼の著書「オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史」を数年前に読んで以来、彼の見解は日米関係を考えるうえではずせないと思ってきた。
NEWS23のインタビューでは、最後に日本にとってとても重要な一言で締めくくっている。
「日本に主権があるとはいえない。これは人質だ。」
この取材をキャッキャッいいながら進めている雨宮塔子は、「へ?」といった反応でこの重大な意味なぞ何もわかっていない。アメリカのいいなりに何でも差し出す日本が哀れに見られているのに。
彼女が例外ということでなく、情報が偏って伝えられ洗脳されてしまうと、自分のプライドやアイデンティティまでが妙なものになるのだろう。
その後に「海賊とよばれた男」を見て、欧米の権力に屈せず信念とプライドを貫いて事業の再生を成し遂げた日本男児の精神は過去の物語でしかないのか、と残念に思った次第だ。