被災地の救援活動に参加してきました。
石巻はボランティアの受け入れも積極的で、復旧が大分進んでいるようです。飲食店やコンビニも結構再開していて、現地での食事にそれほど不自由なかったです。それでもまだまだ完全ではなく、現地のローカルラジオ放送では「昨日の○○地区の復旧率は××%です」「本日○時より、××で入浴サービスあります」といった細かいアナウンスがずっと流れてました。地域のラジオってこういう時ホントに役立つと実感。
私が東京から参加したグループは4月から毎月来ており、今回が3回目。これまでに比べ、街のあちこちに積まれている瓦礫の山が大分撤去され随分ときれいになったそうです。かわりに瓦礫の集積場は山積みされるわけだ。
私たちはNPOジェン(JEN)のプログラムに参加してきました。今回の作業は側溝の泥すくい。
建物のなかの瓦礫搬出は大体終わったとのことで、これからは道路の側溝作業がメインになり、私たちが最初でした。側溝に泥がたまり雨が降ると詰まってあふれ、道が冠水するなど交通や衛生上問題になるのです。
作業手順は単純。道具を使って側溝のふたをあけ、スコップで泥をかき出して土嚢につめる。最後にまたふたをする。ひたすらこれを繰り返すのみだけど、一人二人でやるとなると大変な労力です。これを20人でやるから、まぁ楽しくやれました。やっぱり数の力だな。
ここでは長靴にゴム手袋、マスク着用が定番の作業スタイル。長靴は硬い底敷きで補強しておいたけれど、今回の作業は平らな道路上だったのでそこまで心配せずとも大丈夫でした。溝というよりドブなので、溜まっているところは匂いがしてきてやっぱりマスクはしておきたい。
そして街中の様子。
被害の大きかったところの建物は、外側だけが残って中は一掃されていたり、傾いたままだったりと爪痕があちこちに。この辺を走っていると、結構匂いも鼻をついてくる。
被害の大きかった女川地区にも行ってみましたが、ホントに家屋の土台しか残っていない。海側にある水産工場や海鮮市場などは鉄骨の柱だけの状態で、これらも取り壊すしかないでしょう。建物の上に、流された車が引っ掛かったままです。
ボランティアが必要な作業はまだまだあるし、そうした労働力として協力することは大切です。けれども、この先は「どうやって仕事を確保していくか」が重大事です。地場の水産業は、沿岸の工場がほとんどやられてしまったうえに材料の海産物が揚がってこないのだから、ここを頼りにできなくてどうしたらいいのか・・。
水産以外の大企業の工場の再開に期待が寄せられるなか、石巻に主力工場をもつ日本製紙は工場再開を震災直後に宣言し、今大急ぎで復旧作業を進めています。これまで事業展開している会社には、ともかく再開して雇用の場を継続することが求められる。
では、今後新たな仕事をつくるには?
そこで、BOPビジネスの要領で社会問題の解決をビジネスにつなげるという発想が国内でも現実的になってきました。これは、企業だけでやるのでなく地域の団体との連携がカギになる。3・11を機に日本でもステークホルダーエンゲージメントが広がりそう・・・、そんなことを考え、どうやったら実践できるだろう、と思い巡らしているところです。