筑波大学名誉教授の村上和雄先生は著名な分子生物学者で、遺伝子工学に注力されてきた方です。その科学の最前線にいる先生が、
「人間にはまだわからない『未知の何者か』が遺伝子をコントロールしているとしか思えません。例えて言えば神や仏と呼ぶ存在かもしれないし、大自然の摂理といったものかも知れません」
といい、その存在を『サムシング・グレート』と名づけています。
科学の世界でも理論で説明しきれず、「そもそもある宇宙の存在・・・」みたいなものに行き着いていくんですね。
神の話が宗教で扱われるならわかりますが、科学のアプローチで現実を探究してもすればするほど解き明かせない神秘に入り込み、人間には到底及ばない偉大なチカラの存在にぶつかる。人間は脳の3%しか活用していないということなので、今わかっていることだけで説明しようとしても到底無理があるわけですが。
呼び方は色々ですが、科学からみても、生命の根本を追求しても、現社会の行末を考えても、どこから入っても結局ここに行き着いてしまう。逆にいうと、一見関連し合わない事象であっても根本は繋がっているので、違う立場の人でも話が通づるということが出てきます。
村上先生の言動も今では宗教的で、祈りについての本をまとめたり映画で発言したりと発信も熱心です。
ワタシは神社の家系に生まれた神道界の人間なので、理屈抜きに神様がいる・・ことが当たり前の環境で育ってきました。親戚も神主ばかりで。
ただ今の神社界は神社で祭式を執り行うことが仕事になってしまっており、心の奥で神界のことを本気で信じる、感じるというわけではなくなってきてます。
私自身若い頃は神社にこだわった生活をしたくなかったし、東京で育って大学に行きビジネスをすることに何も疑問がなかったです。独立して自分の方向を考えることが増えてからルーツを改めて考え、そこで先祖が神道界であることを意識し出したのですから。
外からの刺激で自分の立場を見直すとなると、そのほうが案外と物事を深くみられると思いますね。尽きないですね、この世界は。