数年前にファストフードがいかに健康に悪いかを実体験した人がおり、これをドキュメント映画にして話題になりました。マクドナルドのCSRを追求するもので、私の周りでは何かとこれがよく持ち上がっていたのですが、先日はじめてDVDを見ました。
当時マクドナルドではラージサイズよりも大きいスーパーサイズのハンバーガーやドリンクを出しており、お客に「スーパーサイズはいかがですか?」とすすめていたのです。数十セントプラスするだけでこんなにたくさんでお得!という会社の思惑が肥満の道を歩ませている、ということなのです。店員の誘いにのって食べ続けると、こんなに太ってしまうぞ、というメッセージですね。
このドキュメントは、1日3食30日間マクドナルドだけで通すという徹底した食生活で人体実験しています。この間体重他身体の変化を記録し、医師の「こんなに健康に悪影響が出るなんて信じられない。すぐにやめるべきだ!」というコメントをつづっています。タバコやお酒の害と同じように実証しようじゃないか、ということです。
極端に他の食生活と隔絶しないとデータの信頼性がなくなるのでこういう条件設定は必要なのでしょうが、この主人公はもともとファストフードなど好きでない方で、嫌いなものを無理に食べればいい影響がでるわけがありません。また、スーパーサイズを出すということを批判しているので、すすめられたら必ずそれを食べるというルールを決め、毎回食べたくもないのに過剰な量を食べているのです。
食事なんて気分良く食べられるかどうかで消化にも影響しますから、いやいややっていれば何を食べたって悪い効果が現れるものです。そういう結果が出ることを待っていたかのように30日間続けたという具合です。
身体によくないならば食べなければいいじゃないか、そんなことは自分の選択だ、と日本の誰もが思うでしょう。これを企業の責任といって会社に迫っていくところがいかにもアメリカ的です。こんな映画までつくって、やり過ぎと思うのですが、マクドナルドも社会からの批判を受け、スーパーサイズを廃止しサラダなど健康的なメニューを取り入れるという対応に動きました。アクティビストとしての効果はあったわけです。
この動きはその後ヨーロッパにも広がり、アメリカの象徴としてのマクドナルド批判につながりましたが、日本ではそこまで企業責任までにはいきませんでした。日本マクドナルドでも、この映画の後日本の消費者がどう反発するかと身構えたそうですが、ほとんど何の動きもなかったとか。
日本食はヘルシーですが、日本でも毎日の食生活が脂肪過多になり栄養のバランスが崩れているのは事実です。メタボチックなあなた、他人事でなく食生活を見直しましょう。