●活況だった国連フォーラム 前号で日本の歴史や考え方の根本を取り上げたが、今号は全く逆の国際社会の動きについてレポートする。 12月2~4日にかけて、ジュネーブで国連主催のビジネスと人権フォーラムが開催され、参加してきた。昨年第1回の会合が開かれ1000人ほどの参加で盛り上がったが、2回目になる今年のフォーラムは1700人と大幅に参加者が増加した盛況なイベントだった。 &...
サステナビリティ倶楽部レポート
第32号 「三種の神器: 日本のトリプルボトムライン」
2013年11月30日●遷宮への関心増大 今年は遷宮の年で、10月に伊勢神宮の遷御の儀が執り行われ、ご神体ともども新しい神殿にお移りになったところだ。また60年に一度の出雲大社の遷宮も行われ、伊勢と出雲が同時に行われるのは実に300年に一度ということだ。一般の間でも大変な関心が寄せられ、報道の取材もかなり増えている。私もお伊勢参りしてこようか・・・という方も多いのではないか。 神社に行くのはお正...
第31号 「最近の労働問題: 移民労働者」
2013年10月21日●成長するタイで 先日タイに出張し、現地企業の視察などを通してこの国の状況を伺う機会があった。 アジア諸国の経済がどこも伸びており、タイもその中で順調に成長している。バンコク市内の繁華街も賑わっており、ミドルクラスが豊かになって消費が活発化している様子が伝わってくる。 タイには日本企業の進出が顕著だ。自動車産業がサプライチェーン総出で日本企業の拠点を築いてきたところで、親...
第30号 「非財務情報の報告に関するフレームワーク」
2013年09月25日非財務情報の開示に関するフレームワークがこの春に立て続けに発表された。もうすでにあちこちで解説しているので詳細はそれらを読んでいただくことにして、ここでは私の考えるポイントを整理しておく。 ●統合報告の趣旨は、情報を体系化すること まずは統合報告。「統合」報告というと、アニュアルレポートとCSR報告書を合わせたもの、と開示の形式にとらわれる方が多い。しかし形式よりも、財務情報と非財務情報を...
第29号 「人権マネジメントの実務展開の前に」
2013年08月26日●企業が責任として問われる範囲の整理 今回は、企業の皆さんがこれから人権に取り組むうえで、どんなことを知らなければならないかの留意点を補足しておく。 まず知っておかねばならないのは、国連指導原則のポイントだ。 報告書でも書いているポイントのなかで最も重要なところは、企業の責任範囲(責任はどこまでなのか)の基準を明記していることだ。ここをきちんと理解しないまま、人権デュー・ディリジェンスだ...