原風景というと、私が思い浮かべるのは里山と農村です。
山があって川があってそして田圃や畑がある、という風景が一番落ち着きますね。私自身は東京の育ちなので自分のふるさとというわけじゃないのに、どうも懐かしいという思いが。私が育った郊外でも子供のころは空き地がたくさんあって、雑草が生い茂ってましたから、その一部を田舎風景につなげているのでしょう。
今の季節は、里山の紅葉ですね。都内でみる街路樹の黄葉もきれいですが、山全体が色づく景色の方が季節を感じます。山の上のほうから順々に色づいてくるので、2〜3週間時期をずらして楽しめます。
私がよく行く八ヶ岳は、秋が一番混むシーズン。八ヶ岳は里山ではないですが、季節や天気によって、そして時間によって山の色や模様が変わるから楽しいです。ちょっと感動なのは、冬の夕方日が沈む前の時間に山が紫色に見える時です。夕日の色と山の木々の色が混ざってそうなるみたいですが、同じ1日でも朝や昼とは全く違いますから。
また、秋の実りのシーズンの田圃も素晴らしい。実ったお米を穂先につけて垂れ下がる稲。一面に黄色く広がる田圃を眺めていると、ともかくありがたい気持ちに。自然に感謝です。
このような何てことない風景に浸っていると、人間は自然に生かされているんだなぁと理屈ぬきに感じてきます。ヒトが作り出すものって、結局人間がメンテナンスし続けなければいけなくて、自然にはかないっこない。テクノロジーが産業の先端を形つくり私たち人間生活のいろいろな問題を解決してくれますが、太陽の光も恵みの水もニンゲンは無から創ることができないのですから。
環境問題を難しくとらえないで、身近なところから感じることですね。