2月は試験シーズン。講師をやっている東大大学院の授業を終えました。この講座は留学生向けの英語コースなので私だけではとてもやりきれず、バイリンガル3人に協力してもらっています。”Business and finance for sustainable development”として年度の後半の1講座を実施。分担しても各自3回授業をしなければならないので、結構プレッシャーです。
最後まで出席し課題レポートを提出した受講生は33人。今回の課題は、Sustainable businessの事例3社の概要を配り、そのうち1社について各自で論じてもらうことにしました。その3社は、Starbucks, Q-Cells,
Grameenphoneです。
今はインターネットがあるので、情報収集はとっても簡単ですよね。私が学生のころは文献を探すだけでも大変だったので、ファクトを集めるだけでも一苦労で知り得る知識ってごく限られていた。本当に便利になったなぁ。
今では逆にありあまる情報がごく簡単に手に入ることが当たり前なので、どうやって取捨選択したらいいのかわからない、という状態じゃないでしょうか。いい論文なども手軽に入手できるので、そのまま簡単にパクれてしまう。そこで学生には、「そんなコピーのレポートなぞ読めばすぐわかる。自分で分析し各自の見解を書きなさい」と釘をさすことは忘れずに。
レポートを読んでみると、留学生の方がよく書けている。そもそも英作文が格段に日本人は弱いのでそこで大幅にハンディなのですが、日本語で書いているレポートでも論文としての構成ができていないところが目立って残念。英作文の弱さは、他人ごとではないのですが・・・。その前に100分間話し続けているワタシの授業、どうなんだろう。といって人前で話していかないと英語はうまくならないから、などと修行の意味もアリでやっているので、学生さんゴメンナサイ。
調子がわからないのは英語であるだけでなく、対象がビジネス経験のないピュアな大学院生だということもあります。留学生には奨学生が多く、卒業後は公的機関や研究機関で働くというパスが主流です。企業や金融機関が、儲けのビジネスだけでなく社会性を考慮してサステナビリティにも取り組んでいるといっても、「そんなこといっても、所詮企業活動じゃないか」みたいな意識が根底にあるんですね。企業人であれば、経済活動のなかでCSRに取り組んでいることを漠然とでも理解するのですが。む、難しい・・。
投資銀行にいたという学生もおり「サステナビリティに取り組んでいても、業績が傾けばCSR部門も縮小、閉鎖になってしまう。これから企業のそういった部署に就職したいと考えているが、会社の姿勢が状況に応じて簡単に変わり、会社ってやっぱり利益重視で長期的に考えていない。」というコメントでした。これはまた事実であり、なかなか理解してもらえないです。
私にとっては重要なステークホルダーであり、来年に向けてブラッシュアップしてまいります。