8月に入ると太平洋戦争の番組が報道されますが、今年は特にそれが多かったようです。街頭で若い人たちに「今日は何の日かわかりますか?」と質問して、 「知らな〜い。」「今の生活に関係ないし・・。」と平然と関心も持たない状況でいいわけないです。「あの悲惨な現実を後世まできちんと伝えなければ」と、 戦争を経験した人たちが口ぐちに語るようになってきたのでしょう。
65年という時間が必要だったといえそうですが、今広がっている成長への行き詰まり感や閉そく感、また新興大国への劣後感が、「突き進むばかりはよくない、平和に生きることが何より大切」という哀傷へと流れているみたいです。
ところが、二度と戦争をやってはいけない、という感情的なメッセージは十分伝わるけれど、それ以上の何かが感じられず釈然としない。
何でかな?と、自問自答してみると・・。
なぜ日本はあんな行動に出たのか、それまでの現代史や日本を取り巻く世界の状況をよく説明していないのです。ここは学校での歴史教育でもいつも問題にあがるところ。学校教育での取り上げが難航するなら、メディアの報道で取り上げる方法もある。
もちろんメディアも現代史はムズカシ過ぎ問題があって、うまく番組にできそうにない。それでも日本の現在に直接つながっている現代史をどう理解するか、戦争をきっかけに知ることが、アジアにどんどん出かけていく日本人に必要なことです。
アジア諸国に行ってみると、誰でも「こんな風に日本が関わっていたのか」という一片を感じるでしょう。最初は「あれっ」と思い、そして「ええっ」と驚き、さらにまじめに考える人ならガクゼンとする。
「アジアで日本がやってきたことをロクに知らない・・。」
良い悪いの判断ではなく、その前に「知らない」のです。『真実』が何かでなくていいから、『事実』をいくつも知ること。今からでも関心を持ちましょう。