創ゾウ人~世界を視る、地球で感じる~

ニューヨーク雑感

2010年11月28日

ブラッセルに続き、ニューヨークまで回ってきました。戻ってから早々にNY録を書こうとおもっていながらずいぶんあいてしまったのは、今回の感触があまりよくなくてちょっと残念だったため。

大都市ニューヨークに行くというと、楽しかったでしょう〜と言われることが多いです。ニューヨークって特殊なエネルギーが集まった街ですからね。

ところがワタシは行くたびに、どうも・・・ということの方が多いのです。

今回感じたのは、会議場やオフィス街のエネルギーに比べて街中の「普通の」人たちがくすんでいることでした。不満があちこちにあり、何かあるごとにその気持ちがぶつかってくる感じなのです。アメリカの凋落を頭に置きながら物事を見てしまうので、何かとイメージ悪く見えてしまうのかもしれません。

まず、飛行場に着いて、ダウンタウンまでのシャトルサービスのチケットを買う。ババっと米語をまくしたてられよく聞き取れないでいると、不機嫌な顔つきで繰り返す。あぁ、往復か片道かを聞いているのか、とやっとわかってことなく料金を払ったけれど、いきなりいやな気分になりますね。

タクシーの運転手は、ほとんど誰もが仕方なくドライバーやってます、という具合です。乗せる前に行き先を聞いて、近いところだと”I go home.”なんて露骨につまらない顔して通り過ぎていくのです。家に帰るところなら、最初から行き先聞くことないだろぉが。

逆に遠くまで行くとなると、「あぁしめた」というココロの状態が伝わってくる。またちょっと多めの金額しかなくて紙幣を差し出しても、お釣りは当然チップでしょう、といわんばかりでそのまま。ロンドンやブラッセルではかなり細かくてもお釣りはちゃんと返そうとしてくれたけどね。取れるところから取ってやれという姿勢で、運転している間も丁寧さが感じられなかった。

また街を歩く人たちも、どこか怒っているように見えてしまう。ミッドタウンのにぎわっている安全な場所なのに、向こうから歩いてくる人とすれ違うだけで押しのけられそうな気分でした。どこに行っても好奇心でその国のことを観察する気になるのですが、今回はそこの人たちに接するのが怖かったのです。

アメリカってホントに問題だらけだな、とワタシ的に感じて帰ってきたことを友達に話したところ、別の友人は高級レストランも満席で全く景気の悪さなんて感じなかった、ということでした。う〜ん、同じ場所でも自分がどんな見方をするかで、随分違って見えるものですね。

確かにビジネスの最先端は、活気を取り戻しているようです。でもそれってリストラで社員を減らして業績を保っている会社側の話でしょう。これによって失業率が上がり、実質的に5人に1人は職がないという社会が問題じゃないか、と思ってしまいました。

海野みづえ プロフィール

2020年4月より山梨県北杜市に在住。
それまでは企業向けのサステナビリティ経営アドバイザリーを展開。23年間経済と社会の接点の分野をビジネスの立場から取り組んできた。
この間自身の価値観を根本から転換していく意識が湧き上がり、生き方を変革(Transform)することが、サステナビリティの基本と感じる。

現在は自然と接する中で人間らしいライフスタイルを実践し、社会全体をホリスティックにとらえる眼をつちかっている。

創コンサルティング
https://www.sotech.co.jp/

創ゾウ人~世界を視る、地球で感じる~