八ヶ岳の麓、山梨県側の北杜市に別宅を構えて20年以上になります。こちらに移住した方たちとの地元コミュニケーションもだいぶできつつあり、私が特に大事にしていることが農業とのつながりです。
自分の食べる野菜くらい庭で作れれば、と最初は家庭菜園をやってみましたが、林の中で陽が十分にささないことと土ができていなかったことなどでうまく育たず自分でやることは断念。この辺りの農家を手伝いながらお野菜もそこのものをいただければ、とつながりを探り始めたのが数年前です。
地元の住民と接点を作ることは難しいです。そんななか、北杜市は首都圏から移住して自然と親しんだ暮らしをしている方たちがたくさんおり、こちらとは親しくなる機会が色々あります。県外者の方達は有機農業や自然栽培に関心が強く、「農薬なし」の農業にこだわる方がほとんど。うまく知り合いになれると、そんな食物をいただけてありがたい。
まずは普段に食べる野菜類。夏の暑い時期は野菜もシーズンで、一気にできるので有り余って。トマトなどたくさんもらって煮込んでソースにしておく。都会のスーパーでは痛んだり日が過ぎて萎れた野菜など、今ではおいてないですからね。
そんな仲間はお米もやはり有機。春は田植え、秋は稲刈りをイベント的に手伝います。田植えも手植えですからね。素足になって泥んこの田んぼに入り、腰を曲げて苗を一箇所づつ植える。1日やるだけで腰が痛くなるので、皆でやるのがやはり効率いいですよ。稲刈りは機械でやりますが、コンバインではないので束ねた稲をはさ掛けにして天日干しします。
冬は味噌仕込み。グループで集まって大きな釜で大量に大豆を茹で、一緒に仕込む。この大豆も自家栽培で。作業工程は簡単ですが、大量にやらないと効率悪いので皆でやることがいいですね。北杜市では味噌仕込みが一つのイベントで、「手前味噌の唄」なんていうものもあり仕込みイベントで踊ります。
最近いただいた逸品は蜂蜜。お宅でミツバチを飼っており、そこで取れた自前の蜂蜜なので混ざり物なしの純粋食品です。ご主人によると、茶さじ一杯の蜂蜜は働き蜂が一日動いて回って集めた蜜の量だそうです。ハチさんが自然の中でいいものだけを集めてくれた恵のエッセンスなんですね。
こうした食物は味がしっかりしていて、エネルギーが詰まった食物であること間違いなし。おいしさも格別。
皆さんに感謝して、いただきます。