世界のあちこちで、一般の人たちのくすぶった不満による暴動が起こっています。
ギリシャ市民のデモ、ヨーロッパ各地でのストライキ、アメリカの議員集会での襲撃、アフリカの大統領を逃亡に追いやった反乱・・・。中国でも、経済成長が続く限り人民の行動も平静化していますが、これがちょっとでも崩れれば不安定要素はあちこちにある。
形は様々ですが、どれも民衆が政府に不満をぶつける手段が暴力行為で吐き出されるという点が共通しています。
ところが日本ではそんな暴動が起こらない。
生活に満足しているのかといえば、NOなのに・・・です。
日本は不満の爆発という形ではなく、不安の堆積となって人々の心の内に籠っていくタイプなので、問題が顕在化しにくいということでしょうか。うつ病などの精神障害からくる引きこもりや、ひどくなれば自殺など、くすぶるような発散の仕方です。この日本的な陰湿現象は悲観的ですが、人心が暴徒化するよりはいいかもしれない・・。
と少し暗くなっていたところ、明るい話題が。年末から広がっている「タイガーマスク現象」です。
不満が表に出ない日本ですが、人々のココロの底までかたくなになってしまったわけではないのです。世の中の状況が悪いからといって何かと他人のせいにして暴れるのではなく、困っている人を助けよう、という気持ちを持ち続けられることってとても大切です。
今回の伊達直人が、皆とても裕福な人というわけではないのです。
それでも、自分の持ち分から少しでも役に立ちたいと思う気持ちがあるのは幸いです。そしてそれが自然に伝播し、「あぁ、私も何かやろう」といういい形の広がりができるのは、日本の良さですね。阪神大震災の時も、略奪などほとんどなく被災地の人たちへ助け合いが当然のように行われましたし。
この先社会、経済が混乱しても、またそういう状況でこそ、日本人は隣人や地域との共同・共生意識を思い起こして助けあえる。アグレッシブさがなくなったと嘆いてもみますが、実は日本人の戦わない穏やかさの方が困難な時勢を越えられるのかなって、そんな希望を感じています。