若者の就活に変化が出てきました。
アジアを中心とした新興国での就職を希望する人が急増しているというのです。
ほんの少し前は、アメリカの有名大学に留学する若者がぐっと減っており、国内志向に収まっていると危機感を募らせていました。グローバリゼーションに逆行する、といっていたのです。
しかし実際には海外志向がこんなに多いじゃないですか。飛び出す先は、欧米でなくて新興国なだけです。
日本の若者が国内で縮み志向だ、といってきたのは主要メディアや団塊の世代たちです。その人たちの海外とは、欧米諸国なのです。なかでもアメリカ様が世界のすべてを創ってリーダーになっている、という時代のイメージのままなのです。学ぶ先はアメリカしかないじゃないか、当然だろう、といった発想でしょうか。
その先進国欧米が、今やトラブルメーカーの凋落した国々、停滞して活力がない。今まで大国についていくばかりで自分のアタマで考えてこなかった世代の方たちは、そうした国々が崩れてくるとその後にくる新しいモデルが描けないので、この先の人生をつつがなく生き延びることに注力するようになる。
しかし多くの若者たちが、もっと早くから、これから伸びる新興国に何かエネルギーを感じてきたのです。そういう人たちは、ハーバードビジネススクールで学ぶのはなく国際関係を専攻したりと、今までの企業戦士とは違ったアングルの海外留学や滞在経験をしている。ちゃんと先を見ているんですね。
そして金融危機の発生で、この流れがますます強まっている。
ここ1年でさらにアジアへ飛び出す若者が増えているのは、先進国が作り上げてきたキャピタリズムの破たんがあちこちで露出していることを実感しているからです。それについて、何も手を打とうとしない、それ以前にキャピタリズムが壊れていることすら口にしようとせず、ただこれまでのやり方の延長で回すという日本の経営陣に幻滅を感じている。
意欲のある者が、チャレンジする場を求めて活気ある新興国に飛び出していくのは当然です。日本の若者もスゴ〜くエネルギーがあるじゃないですか。それほどの人材がいるのだから、日本の将来は期待できますね。
問題なのは、そんな若者をカイシャにつなぎとめておけない日本の企業体質。日本の意思決定機構に組み込まれてしまったオジサンでは、混とんとしたアジアビジネスのスピードと多様性についていけないのではないですか。新興国の現地では、30代の若者がビジネスの主役です。定年まであと○○年か・・・と、カウントダウンしはじめた方は、責任ある仕事をどんどん若者に任せて、彼らの意欲を後押しする側に立ってほしいです。