今月は再びインドネシアへ。
今回は日程を延長し、週末にインドネシアの自然・文化保全と地域コミュニティの実状を視察してきました。・・・ってつまり観光してきただけなんですけど。
ジャカルタの街中はあまり見るモノがなく、ちょっと長く居てもそれほどおもしろくない。公共交通がないので移動はクルマになるけれど、タクシーはどこに連れていかれるかわからなくて危ないからやめるように、と言われる。ホテルや主要ショッピングモールなど、確実なタクシーに乗れる場合以外やめておこう・・となると行動範囲が狭まってしまう。
さらに交通渋滞がひどい。幸い私たちの今回の日程は市内のホテルに泊まって郊外に出ていく方向ばかりだったので、あまりはまらずに済んだけれど、歩いても行けるところなのに30分以上かかる、なんてことはよくあるようです。
インドネシアらしさは街のなかでもないので、ちょうどいいということで、週末は郊外に。
そこで一番のお勧めの世界遺産ボルブドゥール遺跡へ行ってきました。イスラム教徒が80%占めるというジャワ島で、ここは例外的に仏教寺院です。
寺院といっても、日本のお寺とは大分違う趣です。
もともと当時はヒンズー教の文化だったところに仏教が入ってきて建設した寺院なので、その混合の様子がよくわかります。寺院は建物ではなく、ピラミッドに近い。それもエジプトではなく、メキシコのピラミッドのように外側の段々を登るのです。
自然のジャングルと山々のなかに煌々と建っているので、頂上に登って周りを見渡すと熱帯のジャングルのなかに居る自分が何となく神秘的になってきます。正面は活火山のムラビ山が遠くに見える位置に建てられています。この山は2010年に噴火しており、その麓にも行ってみました。
今回の旅行は現地でCSRの仕事をしているジャラール君にお世話になり、充実した日程でした。
CSRを専門にし企業へのアドバイザもやっていますが、企業寄りの業務支援というよりも、地域コミュニティの視点を基本として、自治体に働きかけるなど、仕事としてよりも地域がサステナブルであり続けるための実践の活動に重点を置いています。
インドネシアは天然資源が豊富で、今開発がどんどん進んでいる。政府や企業による経済優先の開発に対し、環境への配慮をできるだけもたせるよう、というのが彼らの思いなんですね。
ジャカルタ周辺では、資源開発ばかりでなく土地や不動産開発も大規模に進んでいます。1時間ほど離れた郊外での住宅開発の現場にも行きましたが、なだらかな森林が全面的に伐採され、大きな道路が建設中でした。その近くの温泉場を所有するオーナーから、開発業者の手に渡すのでなく自然を保全する形で市民が親しめる場所にできないかと相談され、今その一体をエコツーリズムの場としようとプランを練っているところなんだそうです。
今度行く時はそこで森林ウォーキングとスパが楽しめるかな、と彼らの成果に思いをはせながら帰ってきました。