東京の仕事を整理して山梨に住まいを移したというと、
「今度はそこで何をしているんですか?」
とよく聞かれます。
そこで答えることは、
「何か別のことを始めるためにやめたのではなく、今までのやり方をできるだけ
根本から手放すことが先決。心と頭の中をカラにすることで、これまでと違った
新たな発想が生まれてくる余地ができるでしょう。」
これまでは「何かする(Doing)」ことが当然で、いつも自分の中でやり切れていないことや次にチャレンジすることばかりを考えてました。これが当たり前すぎて、そのこと自体に疑問を持ったことがなかったもの。
努力するのはいいことだとずっと思ってきて、何か達成しても完璧には満足できず、また次の目標ができて繰り返す。結局どこまでやっても終わりがない・・・。
でもそうやって「やり続けること(keep doing)」ってホントに大事なんだろうか?
こんな思いが人生を切り替えるきっかけ。
今までの価値観から変えるために、まずこのdoing発想をやめてみたわけです。
そうすると、まずは「やることがない」状態に。
定年退職して会社に行かなくてよくなった途端、毎日ぶらぶらして時間を持て余す方が多いですよね。なので多くの人が、60歳後も会社に行き続けることを選んでいる。
でも、生きるっていうことは、何かをするばかりでなく、そこにいることで物事を感じる「Being」も大事なんですよ。
朝目覚めて、「ワタシは生きているんだ」と思う。
今日の天気はどんなかな。
この暑さはいつまで続くのだろう。
木立の中を歩きながら木々や草花の伸び具合に目を向け、成長を感じる。
山の地形が数年前からだいぶ侵食されてきたな。
仕事付き合いとは違った地域の友達と、たわいもない話で盛り上がる。
・・・
「そこにいる」だけで、自分の心が動くものを感じることのありがたさがわかってきます。