アメリカ人の友人が、おもしろい記事を教えてくれました。CSRが進化しており、だいぶ「まし」になったといった内容で、
「これまでCSRといえば会社の評判に対応するためにやる「良い行い」(doing well by doing good)だった
ものが、最近では随分とビジネスよりになってきたようだ」
というもの。
http://www.economist.com/node/21555539
エコノミスト誌ですから、一般的な経済の視点からCSRをみる人たちはこう見るのだな、ということが確認できます。最近のCSR流行語を3つあげているところが面白い。
まずは”sustainability”。
欧米企業のサステナビリティには、省資源でムダを省く対策という意味が込められているのが特徴です。さらに各社がそれぞれの方法でサステナビリティを「計測」しようという試み。これは注目した方がいいですよ。日本でも環境会計とかありましたが、とかく型にはめてそれを制度で広めようなどとするから実用性がわかないのです。最近の欧米企業の計測とは、自社ビジネスにあわせた指標をつくり、それでサステナビリティと事業の関係を説明しようというのです。例えばUPSでは、個別の荷物ごとのCFP(Carbon footprint)を計算して公表するといってます。
2つ目が”Innovation”。
日本でも流行ってますね。でもCSRの流れでInnovationを起こそうなんて考えている会社は少ない。サステナビリティのなかに、製品開発やビジネスプロセスの革新のアイデアがあるのは間違いないですが、今の日本企業にあてはまるか・・・。残念ですが。
3つ目が”Sharing”。
CSV(Creating shared value)ですね。しかしこれも、日本は以前から社会との共生は大事にしているから、今さら強調することでもないじゃないか・・、という具合でしょうか。ここでのSharingには、社会との共生ばかりでなく、競合他社との共同といったことも含んでいます。今の日本企業に必要なSharingといったら、乱立する多数のメーカーをいくつかの少数ブランドに集約することだと思っていますが、そんな痛みを伴うSharingには後ろ向きなまま。
以上、私がずっと言い続けている「戦略的CSR」そのものです。戦略なんだから、他社の真似でなくもっと自社特有にやってくださいよ。