大イベントが終わり、日常を取り戻しております。
メダルのトップ争いはアメリカvs中国で、経済大国=スポーツ大国という結果。開催国イギリスが健闘したことを除けば、それ以外の先進国はやや低調。新興国の韓国が上がってくるなど、世界情勢が反映されているなと感じますね。
そして日本はというと、総メダル数は38個で健闘したものの金メダルは少なく、柔道など期待していた競技が振るわなかったという結果です。
柔道のことをとやかく言いますが、柔道そのものが日本で縮小しているのに、オリンピックになると柔道界にナンバーワンを強いるというのはどうか。柔道人口がどんどん減っており、柔道をやっている子供も周りであまり見ないのですから。街の道場とか、昔はもう少し身近にあったものです。今ではそれよりもサッカーとか水泳とか、オリンピックでも活躍が見られるスポーツに通う子が多いのです。
柔道を強くしたいなら、子供のうちに柔道経験を積ませることでは。そこで、今年度から中学校で武道が必修になったことはプラスになりそう。といっても、今の学校教育では怪我をするとすぐ学校の責任を問われ、学校でやることがガチガチに縛られてギクシャクしている。柔道を教えられる先生の確保も結構大変だろうし。
とこんな状況なので、選手団だけにレベル低下の責めを押しつけることではないですね。
また日ごろの日本社会が衝突を避け、皆で楽しくそこそこやっていければいい、という風潮になってきたことも、最後の勝負どころで勝てない背景では。
サラリーマン社会では、斬新的な企画の提案よりもこれまでのやり方のなかでそつなくこなしていく社員が好まれるのです。マーケットを開拓していこうというダイナミズムよりも、コンプライアンスに触れていないかと安全策のチェックが重要になってしまう。
若い世代でも、自分の考えをもち意見を発するよりも、何となく周りとうまくやっていくことが大事で“Too nice”な人ばかりだそうですね。対立しないことはいいけれど、「対決」するという状況は自分を磨くいい機会なのですが。
といいながら、何でも勝ち負けつけようという社会には批判的でもあります。勝つことがいいことなら、勝ち続けなければならない。それが結局人と人の軋轢を生むし、自然資源の人間の都合で使い続けることになる。
金は少ないけれどメダルはたくさんという結果は、そこそこの成功でいいじゃないか、というニッポンの現状を表しているようです。