学校を出てまずは会社に入り、そのまま会社勤めを続ける。あるいはどこかで組織から離れ、自分で事業を始める。
「働く」ということは、そんなことだとあまり疑わずに過ごしてきました。
組織にいるにしても起業するにしても、経済活動の枠組みのなかでその仕組みに沿って動いていくことで目標を立て、成果を出していく。それが積み重なっていくことがキャリアだと。
働き方の見直しや改革を話題にする時も、この枠組みの中での勤務形態やビヘイビアを指していました。
地方に暮らしている人も皆それぞれで、やっていることも関心もバラバラです。それでも共通に思っていることは、
「東京は人が多過ぎて、生活するのに息が詰まる」
地元民だけでなく、移住してきた方も同じく。地方では人とのスペースがあるので、気持ちがだいぶ違います。
都会が快適でエキサイティングに回っているのは、社会の仕組みやインフラが出来上がっていてそれが順調に動いているからですね。
でもこれは人間生活の基盤がこのまま安定し続けることが前提です。当然ですけど。
ビジネスの中にいて疑ってもみなかったこの“当たり前のこと”に疑念をもってしまうと、働くことへの考え方も変わります。
「会社そして経済活動ありき」
から変わる。私にとってビジネスは自分がチャレンジしていくところで、お金を稼ぐ目的よりも生きがいの実現の場でした。
でも今は、そういうことから関心そのものが離れている。
今一番関心のあることは、
「生きていくのに必須なことをどう確保するか」
食料、エネルギー、水、生活できる場所・・・などを、外から供給できなくても手元に絶やさないでいけることです。
なのでまずは田畑をやっている方たちと関係づくりをし、つくることに参加する。作物が欲しいというよりも、同じ考えの方と知り合えることがおもしろいです。
そして次に取り組み出していることはエネルギーです。
ソーラー発電は独立分散型の電源として最も手頃なので、まずそれを実験しているところです。システムをそのまま買って置いておけばいいわけですけど、原理とかも知って自分で組み立てられるようになりたいので、あれこれやってみてます。
このようなことを毎日やって過ごしているので、ビジネス時代の「働く」とは違い「はたらく」という表現がいいかな。そもそもはたらくことって「なりわい(生業)=生きていくためにうごく」なわけでしょう。
生きることがはたらくこと、はたらくことが生きることなのですから。