創ゾウ人~世界を視る、地球で感じる~

海図なき航海

2008年01月23日

今、世界全体がまさにこの状況です。

サブプライムで被害を受けているのはアメリカでアジアや中国経済は影響を受けていない、といわれていたのも束の間。アジアでも株式市場が急落しています。もうどこを見てもモデルといえる国は見当たらないのです。それでも前に進まなければいけない。

経済成長がめざましい中国は、近いうちに世界のトップになります。12億の人口を考えれば、GNPがいずれアメリカを抜くのは当然でしょう。しかし、経済の規模の大きさだけで世界のリーダーといえるのでしょうか。リーダーとなるには、信頼に足る格が備わっていることだと思いますが、中国にそれができるのか…?

そんな率直な疑問を投げかけたところで、「じゃあ他の国にそういったリーダーがいるのか?」という畳み掛ける質問に答えられないのです。ブッシュのあとの方向が見えないアメリカ、ガールフレンドとの関係ばかり目に付くフランス、国益最重視のソ連と、どこにも舵取りを任せられるリーダーがいないです。内向きな日本は、世界の大問題に向かい合う危機感すらみられない。

この世の中に、どこにも向かっていく方向がみえない。「こうやっていけば、日々の暮らしの先に希望がある」という灯りは、本当になくなってしまったのでしょうか。

私はこのような課題集積の時代だからこそ、持続可能な社会のコンセプトが重要になると思います。「サステナブル」とは、地球の環境容量のなかで人間同士が尊重しあうという基本に立ち返る発想です。20世紀、人類は自然を次々破壊し制覇して産業社会をつくりましたが、自分たちの足元まで掘り返してしまい、自然に人間は勝てないことを露呈したのです。私たち人間は自然に生かされているのです。これをどうやって現代の産業社会で実現するのか、大きなチャレンジです。

海野みづえ プロフィール

2020年4月より山梨県北杜市に在住。
それまでは企業向けのサステナビリティ経営アドバイザリーを展開。23年間経済と社会の接点の分野をビジネスの立場から取り組んできた。
この間自身の価値観を根本から転換していく意識が湧き上がり、生き方を変革(Transform)することが、サステナビリティの基本と感じる。

現在は自然と接する中で人間らしいライフスタイルを実践し、社会全体をホリスティックにとらえる眼をつちかっている。

創コンサルティング
https://www.sotech.co.jp/

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