登山家(というより冒険家)の続素美代さんが、スキーで歩いて南極点に到達するという偉業を成し遂げました。極寒のなか、1200キロ(!!)荷物をソリでひいて歩きとおしたのです。
素美代さんは、日本人女性3人目のエベレスト登頂者でもあります。彼女とは5年くらい前、あるサークルで何回かご一緒したことがあります。山登りの会合ではなかったので、最初はエベレストまで登ったすごい人だなどとは知らずにお話していました。というくらい、普通の女性なのです。外見はもちろん、話し方などもおだやかな口調で。
「歩いて南極点に行きたい」という目標を聞いたのは、5年くらい前です。これはもうスポンサーを募って一大プロジェクトでなければできないのだろう、と思って聞いていたところ、本人は会社のロゴを身体中に着けながら行くようなやり方は好きじゃないというのです。カメラ隊を動員しシェルパに荷物を引かせて行くのでなく、自分の力でやりたいと。
大騒ぎしてやって何なの…、と冷めた目で話していたのが印象的です。海外では自然に挑むツアーがあるので、行くには外国人とのチームで行くと言っていました。普通の女性といいましたが、日本の常識にとらわれず、やるべきことを感じ取って型にはまることなく淡々とやれることを積み上げて実行していく人です。今回ニュースを見る限りでも、スポンサーなどとらずに自分で行った様子が伺えます。また一人、力強い女性からエネルギーをもらいました。
ところで素美代さん、南極に行くのに事前に必要だった国への届出をしていなくて、ちょっと問題になってしまったようです。彼女のツアーはアメリカの会社で企画したもので、そこで許可を得たと聞いて行ったそうですから、一体国単位の制度って何なのだろうと思ってしまいます。それでも、死と隣りあわせなくらい厳しい状況の中で歩き通したことには変わりはありません。次は何に挑戦するのでしょうか。