週末のテレビ番組でこんなテーマの議論をやっていました。現役の官僚や役所出身の国会議員を交えてタレント中心にこの問題を討議するというものです。
一般人の感覚では「廃止すべき」で、番組もこちらへの支持が多数という結果でした。もちろんテレビ番組ですから、扇動したり過度に反応したりと盛り上げる演出があるだろうことはよくわかります。それに乗せられたのか、官僚(と元官僚)が退職金はこれまでの慣習で悪いことではない、と始めのうちはとうとうと発言していました。
「若い時代に薄給で長時間労働を強いられ、人生の資金計画は退職金で補填するという構造なのだから、今さらこの制度を廃止してもらっては困る」といった調子で、この有能な方たちは霞ヶ関のルールをよく説明してくれます。
ところが、それがいちいち一般感覚からずれているのです。例えば、個別の天下りをなくし、役所全体で公益法人の職員候補を派遣するという新たな改善策の制度。産官の癒着をなくそうとはじまったものの、そこにも不備があると指摘されると途端に、「どんな制度をつくったって抜け道はいくらでもある・・」などと信じられない言い訳が始まります。
「それなら作っても意味ないじゃないですか!」
「い、いや、ないよりはいいですし、過渡的には必要かと・・・」
皆さん論は立つのですが、当たり前にして素朴な疑問を連発され突っ込まれるうちに、だんだん萎んでくるのがわかります。日頃正面から率直に質問されることなどないのでしょう。今や、「霞ヶ関の常識」が「世間の非常識」なのです。
また天下りしてきた公益法人の理事などは、毎日新聞読んでお茶飲んでいるだけで何も仕事してないそうです。優秀で若いときにバリバリ働いていた人ならこのくらいの年齢でもまだまだエネルギーはあるだろうに、理事になると何故何もやらなくて平気になるのでしょうか。
官僚すべてがこんな状況ではないと思いますが、この先年金すら危ない若い世代のためにも、思い切って改革してほしいです。