サステナビリティを主テーマに日々世の中の流れをみていると、日本で起こることが世界とつながっていて、その動きがわかってくると「何故?」が腹に落ちてきます。
そんなわけで世界情勢の情報収集が日課になっており、日本では報道されない海外メディアの様々なニュースに触れる毎日。せっかくなので、『世界を視る、地球で感じる』と題してここで語っていくことにします。ヨロシク。
そこで今日の話題は「カリフォルニア」。
世界で最もリッチで自然も豊富、充実したライフが送れる土地。生活コストは高そうだけども何でも揃っていて、理想のイメージが。ところが、最近の環境問題や地殻の変動を見ていると、長期的にはヒトが住めなくなる・・・というとても不安定な地域になりつつある。
ひとつは地震。先月ナパ市でM6.0の大きな地震があったが、その前からカリフォルニアのあちこちで地震が起きている。ナパはワインの産地で有名で、その被害なども含めて日本でも大分報じられた。
その後の状況が気になるのでLA Timesを時々見ていると、かなりの頻度と範囲でM3~4の余震が起こっているニュースが続々。南に広がっており、カリフォルニアはアメリカのなかの地震頻発地域なことがよくわかる。
ついでながら、米国地質調査所がM2.5以上の世界地震マップを公開している。今9月9日の1日を見てみたが、これだけで24か所もある。アイスランドやパプアニューギニアなど、最近地震や噴火が起こっているところにM5クラスの大きいものが。報道されてなくても、世界の地殻がかなり動いていることがわかる。
次の懸念要因が「水」。
昨年は特に降水量が少なくて、農作物への被害や飲料水への懸念が大きな問題に。乾燥がひどいので、山火事も多発。ヨセミテ国立公園のかなりが燃えた。この時は、LA Timesのウェブ上の地図に焼けた部分がビジュアルに色づけされ、日ごとの広がりが公開される様子がリアルだった。
住民の飲料水不足も深刻だ。地域の自治体からボトルの水を支給されている地域のニュースもあった。降水量不足となれば地下水を汲み上げよう、ということでこちらも危機に直面している。地下水についての使用制限の条例をつくる動きになっているようだ。
この地下水が、2013年初から比べて劇的に減少しているのだ。その理由が人間の利用や気象の変化というよりも、地震によってわずかに地殻が上がることが原因なのだそうだ。地殻の構造的変化ならば人間が手を打てるものではない。さらに地震は連鎖し頻発しているのだから。
今後カリフォルニアは「水」問題で大変な事態になりそうだ。ロサンゼルスなど、もともと砂漠地帯に作られた膨大な都市だ。カリフォルニアが干乾びたゴーストタウンになってしまう懸念をぬぐえない。